2012年08月07日

脱原発つぶやく毎日記者 御用ジャーナリストとの批判に反論

脱原発つぶやく毎日記者 御用ジャーナリストとの批判に反論
2012.07.27NEWSポストセブン
http://www.news-postseven.com/archives/20120727_132765.html

「原発事故について、正しい情報を身につけて欲しい」。毎日新聞元科学環境部部長の斗ヶ沢秀俊さんのツイートが話題である。科学的に不確かな記事であれば自分の会社の記事にでも辛辣に斬り込み、データを地道に伝え続ける科学記者としての姿勢に共感を持つ人も多い。斗ヶ沢さんに「正しい原発事故ニュースの見分け方」を聞いた。(聞き手=ノンフィクション・ライター神田憲行)

 * * *
――原発事故による放射線関連のニュースについて、斗ヶ沢さんが解説するツイートがネットで話題になっています。ツイッターはいつごろから利用されているんですか。

斗ヶ沢 アカウントは以前から持っていましたが、「何々なう」なんて興味ないからずっと見なかったんです(笑)。原発事故から一週間後の3月18日に「記者の目」(新聞記者個人の視線で書く毎日新聞の名物コーナー)で「事態を冷静に見よう」と書いたあと、もっと記事が書きたいと思いました。そんなときに後輩記者からから「ツイッターでやればいいじゃないですか」と勧められて、「140字でやっていくか……」と書き始めました。

 いまはツイッターで質問が寄せられたら、実名でプロフィールがしっかり書いてある人には複数回、匿名の方には1回と自分のルールを決めて、回答するようにしています。

――ツイートでは所属される毎日新聞だけに止まらず、他紙の記事についても「これが一面トップか」などと辛らつに批評されることがあります。社内の他の人から何か言われませんか。

斗ヶ沢 なにも言われたことはありません。毎日新聞の自由度の高さに感謝しています。

――一方で、原発事故による被曝量は健康影響の出ないレベルだと語る斗ヶ沢さんを「御用ジャーナリスト」と中傷する人もいます。どう受け止めていますか。

斗ヶ沢 びっくりしました。私は1988年に科学環境部の記者になってから、途中の福島支局長、海外特派員時代を除いて20年近く科学関係の記者をしてきました。チェルノブイリ事故6年後に現地を取材し、高木仁三郎さんの著書に感銘を受けた私は、原発が大事故の起こりうるシステムであり、ウランがいずれは枯渇するという資源的制約から考えても、再生可能エネルギーに移行するまでの過渡的なエネルギー源であると判断しています。だから、1本も原発推進の記事を書いたことがないし、ずっと「脱原発」の姿勢で記事を書き続けてきました。「御用ジャーナリスト」と呼ばれるいわれは全くないのですが、まあ、福島県立医大副学長の山下俊一先生らも「御用学者」と呼ばれているので、その列に並ばさせていただけるなら名誉ですよ(笑)。原発事故での報道を見て、放射線、放射性物質への理解が、記者にも一般の方にも不足していると感じます。

――たとえばどんなところですか。

斗ヶ沢 「放射能」「放射線」「放射性物質」という用語に混乱があります。「放射能」は「放射線を出す能力」のことですが、1954年のビキニ水爆実験のころ、「放射性物質」のことを「放射能」と呼ぶ誤用が広がりました。さらに1974年の原子力船「むつ」の事故では、「むつ」から放射線の一種である中性子線が漏れたことを当時のメディアがみな「放射能漏れ」と表現しています。オフィシャルな文書にもそう残っている。報道機関の理解不足によって「放射能漏れ」と報じられたことにより、事故が実際よりも深刻で影響が大きいかのような誤解が生じました。今回の事故でも、放射性物質のことを「放射能」と表現しているニュースが少なからずあります。

 また、ビキニ水爆実験の際に、核分裂によって生じた放射性物質のことを「死の灰」という呼び方も広がりました。今回の事故で放出された放射性物質を「死の灰」だと言って、脅かしているツイートも見かけます。「放射能」という使い方にあいまいさのある言葉や、「死の灰」という情緒的な言葉は、使うべきではない。私自身は「放射能」という言葉はほとんど使いません。「放射性物質」「放射線」という言葉で十分に説明できますから。

――(WEBを見せながら)たとえば神奈川県で瓦礫処理に反対するグループが趣旨説明の中で、「震災がれきは放射能汚染されています」と主張していますが、これは……。

斗ヶ沢 (見て)科学的に理解されていませんね。岩手県や宮城県の瓦礫に含まれる放射性物質の量は微々たるもので、全く健康影響なんて考えられない。放射性セシウムの量は神奈川県内で発生する廃棄物に含まれるセシウムの量と同等かそれ以下です。瓦礫の持ち込み、処理に反対するなら、神奈川県内のごみの処理にも反対しなければならなくなります。自分たちの勝手な論理と思い込みで被災地の復興を阻害している、ひどい話だと思います。瓦礫が大量に残されたままでは、復興の妨げになるし、周辺の環境悪化、住民の健康被害も考えられます。被災者の立場で考えてほしいと思います。

〈斗ヶ沢秀俊さんプロフィール〉とがさわ・ひでとし。1957年北海道生まれ、東北大理学部物理学科卒後、毎日新聞社に入社し、福島支局長、科学環境部部長などを経た後に、現在は同社「水と緑の地球環境本部」本部長兼編集委員。ツイッターアカウントは@hidetoga
posted by milou at 19:59| パリ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 注目記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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