http://mainichi.jp/area/tokyo/archive/news/2008/03/08/20080308ddlk13040025000c.html
毎日新聞2008年3月8日
ガラスのうさぎ:平和への思い、永遠に 著者・高木さん、体験語るDVD発売
10万人以上とも言われる命が奪われた「東京大空襲」の日の10日、大空襲で母と2人の妹を失い、父も目の前で亡くした「ガラスのうさぎ」の著者、高木敏子さん(75)が平和への思いを語るDVD「ガラスのうさぎ−言葉の力で平和を築く−」(紀伊国屋書店、団体向け1万5750円)が発売される。
高木さんは1932年に現在の墨田区で、ガラス工芸品工場の長女として生まれた。太平洋戦争が始まると、工場は軍の命令で注射器などを作るようになり、2人の兄は志願して入隊。終戦の前年、国民学校6年生の時に2人の妹とともに神奈川県二宮町に疎開した。
妹たちは翌年2月、寂しさに耐えかねて自宅に帰り、3月10日の東京大空襲にあって母とともに行方不明に。焼け野原になった東京の自宅には、半分以上溶けてぐにゃぐにゃになった父の作ったガラスのうさぎがあった。
その後、父が新潟で工場を始めることになり、二宮駅で一緒に列車を待っている時、米軍の機銃掃射を浴び、父は3発の弾を受けて亡くなった。終戦の10日前のことだ。
77年に出版された「ガラスのうさぎ」は映画やアニメにもなり、9カ国語に訳されている。高木さんは、持病を抱えながらも30年にわたって子供たちに戦争体験を語ってきた。だが、体力的に難しくなったことから、平和を考える教材としても活用してほしいと、DVDを制作することにした。
DVDには、子供の朗読する「ガラスのうさぎ」の一部や戦中・終戦直後の写真も折り込みながら、高木さんが戦争体験や平和への思いを語る。千葉市立葛城中で開かれた「ガラスのうさぎ」の読書会の様子も合わせて紹介されている。
高木さんは「戦争で、生きたくても生きられなかった人たちがたくさんいることを知れば、命がどれだけ大切か分かってもらえるのでは」という思いも込めたという。【石塚淳子】
毎日新聞 2008年3月8日
2008年03月09日
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