http://www.okinawatimes.co.jp/day/200805151300_02.html
沖縄タイムス2008年5月15日
基地負担今もなお/きょう復帰36年
沖縄県は十五日、本土に復帰して三十六年を迎える。国からの九兆円を超える振興開発事業費による振興策が図られる一方、米軍専用施設の約75%が集中する基地負担や米軍による事件・事故が多発する構図は変わらないままだ。県民所得は全国最下位、失業率は全国の約二倍で推移しており、県が目指す「経済の自立」への模索が続く。
普天間飛行場の移設をめぐっては、移設先での環境影響評価(アセスメント)が進む一方、滑走路位置の沖合移動を求める県、名護市と政府との溝は埋まっていない。
今年も米軍による事件・事故が相次いだ。女性暴行やタクシー強盗などの事件のほか、嘉手納基地での未明離陸など県民生活を無視するかのような被害は後を絶たない。仲井真弘多知事をはじめ、県内の各政党や関係団体などが強く求めている日米地位協定改定の実現に向けた取り組みが求められる。
◇ ◇ ◇
「本土並み」遠く/きょう復帰36年
「基地も所得も本土並みになっていない」。本土復帰して十五日で三十六年目を迎える沖縄。基地も、雇用も、所得水準も本土との格差が埋まらない現状に、復帰前を知る人々から不満の声が聞かれた。一方、「五月十五日」そのものを知らない若者も。県内各地で復帰への思いを拾った。
今年の「5・15平和行進」は十六日から始まる。同実行委は「議論はいろいろあったが、多くの人が参加しやすい日程を優先した」と説明する。
沖縄県祖国復帰協議会に長くかかわった石川元平さん(70)は、現在の運動を一定評価しながらも「五月十五日の本質、根本的意味を考えてほしい」と話す。復帰は「勝ち取った」ものである一方、基地の存続を許したことで「欺瞞に満ちたもの」とみる。
県民が求めた「核も基地もない平和な沖縄」でなく、政府が約束した「核抜き本土並み」すら現在まで果たされていない、と語る。「沖縄が二度と捨て石にならないこと、被害者にも加害者にもならないことを誓う」と五月十五日を位置付けている。
前県婦人連合会会長で顧問の小渡ハル子さん(79)は「やっと復帰した、暮らしはよくなると思った」と振り返る。基地も所得も本土並みになっていない、と憤る。
小渡さんは婦連会長として、昨年から今年にかけ教科書検定問題や米兵による暴行事件に抗議する県民大会の実行委員として、奔走。教科書検定問題も地位協定改正も、何度要請しても国は動かない。「裏切られた。期待が大きかっただけに残念」と悔しさを語る。
北谷町の松田正二砂辺区長(62)は、復帰時「日本人並みの権利が与えられ、やっと人間になれる」と涙を流したというが、米軍嘉手納基地から離着陸する戦闘機の騒音に悩まされる日が続いている。「尊厳は回復されず、むしろ逆行している」と語気を強めた。
一方、那覇市の医療技術職員、牧泉さん(23)は「復帰の日だとは知らなかった」。旅行が好きといい、「『内地』に行くという感じはしない。県外との差はそんなに感じない」と話した。
2008年05月15日
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