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2010年06月09日blogこれでいいのか?
「パイ」が大きくなった結果
一時期、「経済のパイ全体を大きくすべきだ」という主張を商業マスコミや経営者が声高に主張していました。要は、企業の収益が向上すれば、経済自体が大きくなり、それによって、一般国民も豊かになる、という論調です。
その「経済のパイ」はその後どうなったのでしょうか。それについて、しばらく前の日経新聞に興味深い記事が載っていました。
それによると、3月末の現預金と短期保有の有価証券を合計した手元資金は63兆円と、決算が連結主体になった00年3月期以降で過去最高を記録。日本の10年度予算の一般歳出(53兆円)を上回ったとのことでした。要は、上場企業全体で、使おうと思えばすぐに使える金が、国家予算に匹敵するほど貯まっている、というわけです。
このように、企業の収益は向上しました。しかしながら、彼らが主張したような、その収益が一般国民に波及する、などという現象は発生していません。
その理由は極めて明快です。これらの企業の収益向上は、従業員・下請けなどが得るべき金を企業が得ることによって発生したからです。
一番わかりやすい例はトヨタでしょう。その杜撰な品質管理により、死者を出すような事故を発生させ、全世界的なリコールを受けました。必然的に売上げは落ちましたが、この前の四半期決算は黒字に「回復」しました。
その理由は、これまでの反省から、安全な自動車を開発し、それが売れた、などというものではありません。マスコミは「コスト削減」としか書きませんが、これまた、画期的な生産方法を開発して、無駄を削ったわけではありません。
「削減」されたのは、下請けに払う工賃・部品代および、従業員に支払う給料です。つまり、自社の損失を、下請けや従業員に押しつけることにより「黒字化」を達成したわけです。
一方で、一部自動車の売上げも上がってはいます。しかしながら、その要因は「エコカー減税」だそうです。要は、国のカネで赤字を補填してもらったようなものです。
もちろん、黒字になったからと言って、下請けの工賃を上げたり、給与を上げるなどという事はありません。
売上げが増えたら黒字になった会社がより多く生産します。同様に、コストを削減して黒字になった企業は、より一層のコスト削減を計画します。逆の事を行なうなど、ありえないのです。
というわけで、「『パイ』が大きくなれば末端まで潤う」などという主張が荒唐無稽な誤りであることは、現在の企業と国民の経済状況という、明白な事実によって証明されました。しかしながら、マスコミも経営者も、それを認める事はありません。
そして最近はもっぱら、「国家財政のために消費税を増税すべきだが、経済のために法人税は減税すべきだ」という主張を繰り返しています。形を変えたものの、「大企業だけ得して国民は損をする」体制を強化する、という意味では「パイ」と何ら変わりありません。
もちろん、消費税が上がって法人税が下がったところで、社会保障が安定することも、法人税減税が一般国民に波及することもありません。これは、ここ20年の歴史が照明しています。
しかしながら、それが再度明白になった時には、マスコミも経営者もまた別の手法を用いて、「国民を犠牲にして自分たちだけが儲ける手段」の宣伝をすることでしょう。そして、それらの宣伝を真に受ける人が多数派である間は、彼らは多くの国民が苦しむ中で、収益をあげ続ける事ができるわけです。
2010年06月27日
ニラ茶でわかる消費税のからくり=blog非国民通信
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/b1262d6748d72903da7ef6e356318f24
2006-11月11日 非国民通信社社説
ニラ茶でわかる消費税のからくり
皆さん、ニラ茶を飲んでますか? 最近ではやや勢いも衰えがちですが、発汗作用があり冷えに効くニラ茶、美味しいニラ茶で冬場も安心です。
さて、今日はニラ茶を使って消費税の仕組みを勉強してみましょう。
まず、ニラ屋でニラを買ってきます。仕入れ価格¥105
ニラを焙じてニラ茶を作ります。そして販売、小売り価格は¥210
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
そして私が販売したニラ茶の価格の5%、¥10を消費税として納税します。
すると、納税額の合計は¥15になります。しかし、ニラ茶の最終販売価格は¥210、必要な課税額はこの5%である¥10だけでいいのではないか?そう考えることもできますね。
商品とお金が動くたびに、その都度課税するという考え方もあります。その場合、¥105で仕入れたときに¥5、¥210で販売されたときに¥10、合計で¥315とそれに相当する商品が動いたので、その5%に当たる¥15が必要な納税額になる訳です。
しかし日本の消費税はこのような方式を採用していません。最終的に販売された価格が¥210であれば、その途中にどのような取引があったにせよ、最終販売価格である¥210の5%、¥10が最終的な納税額となります。
では日本でニラ茶を作った場合です。¥105でニラを売ったニラ屋さんが¥5納税、¥210でニラ茶を売った私が¥10納税、こうすると、¥5余分に納税していることになります。そこでこの¥5が「仕入税額控除」という名前で還付されます。誰にでしょうか? これはニラ茶の材料を仕入れた私に返ってきます。ニラ屋さんが¥5納税、私が¥10納税、控除で¥5が私に還付、そうして最終的な納税額は¥10になるわけです。
さて、これはあくまで国内販売の場合です。今は国際化時代ですから、ニラ茶を輸出してみましょう。
まず、ニラを買ってきます。仕入れ価格は変わらず¥105
そしてニラ茶に加工して海外に販売、$2で売ります。
ニラ屋さんは売ったニラの代金¥105の5%、¥5を納税します。
さて私は? 免税です。海外への輸出は免税のため、納税額は¥0
それから、仕入税額控除を忘れてはなりませんね。¥5が私に返ってきます。
ここで何かおかしいと思った人はいますか? ちょっと変ですよね、だって私は納税していないのに、なぜか還付金が回ってくる、納税していないのに還付金を受け取っては逆に儲かってしまいます。これじゃぁ税金として変ですよね? でも、税法上はこれでいいのです。¥5を納税したニラ屋さんではなく、ニラを仕入れた私に仕入税額控除として還付金が回ってくる、納税していなくても、仕入れた分だけ還付金が受け取れる、そういう仕組みになっているのです。
ちなみに輸出の場合は「免税」ですが、これと紛らわしいものに「非課税」があります。何処が違うのかと言いますと、非課税の場合は仕入税額控除が受けられません。医療や福祉に関わる商品の一部が非課税になるのですが、例えばここに冷え性で死にそうになっている人がいるとしましょう。この人にニラ茶を飲ませれば助かります。そこで色々と働きかけてみたところ、医療用ニラ茶が非課税品になったとします。
そこでまたニラを買ってきます。¥105
これを加工して医療用ニラ茶を卸します。¥198
この場合ですが、
まずニラ屋さんは売ったニラの代金¥105の5%、¥5を納税します。
非課税品目と認められているので私は納税する必要がありません。
非課税品は仕入税額控除が認められませんので還付金はありません。
以上のことをまとめてみましょう
・普通にニラ茶を作った場合
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
私が販売したニラ茶の価格の5%、¥10を消費税として納税します。
私は仕入税額控除の¥5を還付金として受け取ります。
・海外にニラ茶を売った場合(免税)
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
私が仕入税額控除の¥5を還付金として受け取ります。
・非課税の医療用ニラ茶を売った場合
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
いずれのケースでもニラ屋さんはニラの販売額の5%を納税しなければなりません。
一方私がニラ茶を売った場合、
普通に国内販売すれば5%を納税、そして還付金を受け取ります。
非課税品目として販売すれば納税は0、還付金も0です。
海外に輸出すれば納税は0、そして還付金を受け取ります。
そこでニラを¥1050で買ってきます。ニラ茶を10パック作って、4つを国内向けに、6つを輸出用に振り分けます。国内にはニラ茶4パック¥840、輸出用にニラ茶6パック$12。
ニラ屋さんは¥1050の5%、¥50を納税します。
私は課税対象の国内向けニラ茶¥840の5%、¥40を納税します。
私は仕入税額控除として¥1050の5%、¥50を受け取ります。
足し算をしてみましょうか、
ニラ屋さんは¥50納税。
私は¥40納税で還付金が¥60、差し引き¥20の税金黒字です。
政府から見るとどうでしょうか、
納税額は¥50+¥40で¥90、還付金が¥60です。
国庫に入るのは¥90−¥60で¥30となります。
政府も大変ですね。
で、この消費税の仕組みを知ると色々な謎が解けます。
なぜトヨタやキャノンは儲かるのか?
なぜトヨタやキャノンと違って中小企業は不景気なのか?
なぜ大企業の業績は好調なのに税収は伸びないのか?
なぜトヨタやキャノンが牛耳る経団連や税調は消費税増税に目立った抵抗を示さないのか?
数値は2004年のものになりますが、トヨタが奴隷労働を駆使して上げた純利益は¥1兆1621、この中から¥332億円を消費税として納税しています。そして仕入税額控除、還付金として¥2296億を受け取っています。トヨタの消費税納税額は差し引き1964億円の黒字です。純利益の17%は税金を「貰った」ことによるものですか・・・
一方でキャノンが偽装請負などの違法行為を駆使して達成した純利益は¥3433億、そして消費税納税額は¥55億、受け取った還付金は¥773億です。こちらの消費税納税額は¥718億の黒字、純利益の21%は消費税を「貰った」ことによるものとなります。
ニラ茶の例で述べたように、免税である輸出が多いと、消費税納税額は少なくなります。しかし仕入税額控除による還付金は国内向けであろうと輸出であろうと変わりません。そのため、納税額を還付金の受領額が上回る、納税で黒字が発生する(国から見れば収税で赤字が発生する)逆転現象に至る場合があるのです。
この納税による黒字は些細なものではなく、トヨタやキャノンでは純利益の2割に相当する膨大な数値となっています。消費税納税によってお金が消えていくはずが、逆に還付金としてお金がどんどん増えていく、それなら大企業が儲かるのは当然の結果ですね。
しかし、ニラ茶の例を思い出してください。ニラ茶を国内に売ろうが輸出しようが、ニラを売ったニラ屋さんは消費税を納税しなければなりません。ニラ屋さんは還付金を受け取ることなど無く、黙って売り上げの5%を納税しなければならないのです。そういうわけで、海外に販路を持たない中小企業、トヨタやキャノンに部品を納入する中小企業は消費税からは逃れられず、還付金で潤う大企業との格差は広がるばかりなのです。
ちなみにこの消費税納税の逆転現象、還付金受領額が納税額を上回り、企業が消費税によって「儲けた」額は産業界全体で約¥2兆、これは消費税納税額全体の約2割、法人税納税額の約2割に相当します。これだけの財貨を収税する代わりに、トヨタやキャノンに還付金の名で供与しているわけです。これでは大企業が業績好調でも税収は伸びず、財政再建など夢のまた夢です。
大企業の出先機関である政府税制調査会では絶え間なく法人税減税が話し合われています。考えることは減税のことばかりで増税の可能性など全く眼中にないようです。しかし、法人税ではなく消費税となると、途端に態度が変わります。法人税増税はありえないが、消費税増税ならどうだろうか、と検討を始めます。何でかといえば、法人税増税は企業の納税額を引き上げますが、消費税増税が企業の納税額を引き上げるとは限らない、むしろ黒字を増やすことになりうるからです。消費税が2倍になれば消費税納税額は2倍になりますが、貰える還付金の額も2倍、元から還付金の方が多いトヨタやキャノンからしてみれば、奥田や御手洗といった連中からしてみれば、消費税増税は収益を増やすものでしかないのです。国民の納税額は確実に増えますがね。
2006-11月11日 非国民通信社社説
ニラ茶でわかる消費税のからくり
皆さん、ニラ茶を飲んでますか? 最近ではやや勢いも衰えがちですが、発汗作用があり冷えに効くニラ茶、美味しいニラ茶で冬場も安心です。
さて、今日はニラ茶を使って消費税の仕組みを勉強してみましょう。
まず、ニラ屋でニラを買ってきます。仕入れ価格¥105
ニラを焙じてニラ茶を作ります。そして販売、小売り価格は¥210
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
そして私が販売したニラ茶の価格の5%、¥10を消費税として納税します。
すると、納税額の合計は¥15になります。しかし、ニラ茶の最終販売価格は¥210、必要な課税額はこの5%である¥10だけでいいのではないか?そう考えることもできますね。
商品とお金が動くたびに、その都度課税するという考え方もあります。その場合、¥105で仕入れたときに¥5、¥210で販売されたときに¥10、合計で¥315とそれに相当する商品が動いたので、その5%に当たる¥15が必要な納税額になる訳です。
しかし日本の消費税はこのような方式を採用していません。最終的に販売された価格が¥210であれば、その途中にどのような取引があったにせよ、最終販売価格である¥210の5%、¥10が最終的な納税額となります。
では日本でニラ茶を作った場合です。¥105でニラを売ったニラ屋さんが¥5納税、¥210でニラ茶を売った私が¥10納税、こうすると、¥5余分に納税していることになります。そこでこの¥5が「仕入税額控除」という名前で還付されます。誰にでしょうか? これはニラ茶の材料を仕入れた私に返ってきます。ニラ屋さんが¥5納税、私が¥10納税、控除で¥5が私に還付、そうして最終的な納税額は¥10になるわけです。
さて、これはあくまで国内販売の場合です。今は国際化時代ですから、ニラ茶を輸出してみましょう。
まず、ニラを買ってきます。仕入れ価格は変わらず¥105
そしてニラ茶に加工して海外に販売、$2で売ります。
ニラ屋さんは売ったニラの代金¥105の5%、¥5を納税します。
さて私は? 免税です。海外への輸出は免税のため、納税額は¥0
それから、仕入税額控除を忘れてはなりませんね。¥5が私に返ってきます。
ここで何かおかしいと思った人はいますか? ちょっと変ですよね、だって私は納税していないのに、なぜか還付金が回ってくる、納税していないのに還付金を受け取っては逆に儲かってしまいます。これじゃぁ税金として変ですよね? でも、税法上はこれでいいのです。¥5を納税したニラ屋さんではなく、ニラを仕入れた私に仕入税額控除として還付金が回ってくる、納税していなくても、仕入れた分だけ還付金が受け取れる、そういう仕組みになっているのです。
ちなみに輸出の場合は「免税」ですが、これと紛らわしいものに「非課税」があります。何処が違うのかと言いますと、非課税の場合は仕入税額控除が受けられません。医療や福祉に関わる商品の一部が非課税になるのですが、例えばここに冷え性で死にそうになっている人がいるとしましょう。この人にニラ茶を飲ませれば助かります。そこで色々と働きかけてみたところ、医療用ニラ茶が非課税品になったとします。
そこでまたニラを買ってきます。¥105
これを加工して医療用ニラ茶を卸します。¥198
この場合ですが、
まずニラ屋さんは売ったニラの代金¥105の5%、¥5を納税します。
非課税品目と認められているので私は納税する必要がありません。
非課税品は仕入税額控除が認められませんので還付金はありません。
以上のことをまとめてみましょう
・普通にニラ茶を作った場合
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
私が販売したニラ茶の価格の5%、¥10を消費税として納税します。
私は仕入税額控除の¥5を還付金として受け取ります。
・海外にニラ茶を売った場合(免税)
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
私が仕入税額控除の¥5を還付金として受け取ります。
・非課税の医療用ニラ茶を売った場合
ニラ屋さんは販売したニラの価格の5%、¥5を消費税として納税します。
いずれのケースでもニラ屋さんはニラの販売額の5%を納税しなければなりません。
一方私がニラ茶を売った場合、
普通に国内販売すれば5%を納税、そして還付金を受け取ります。
非課税品目として販売すれば納税は0、還付金も0です。
海外に輸出すれば納税は0、そして還付金を受け取ります。
そこでニラを¥1050で買ってきます。ニラ茶を10パック作って、4つを国内向けに、6つを輸出用に振り分けます。国内にはニラ茶4パック¥840、輸出用にニラ茶6パック$12。
ニラ屋さんは¥1050の5%、¥50を納税します。
私は課税対象の国内向けニラ茶¥840の5%、¥40を納税します。
私は仕入税額控除として¥1050の5%、¥50を受け取ります。
足し算をしてみましょうか、
ニラ屋さんは¥50納税。
私は¥40納税で還付金が¥60、差し引き¥20の税金黒字です。
政府から見るとどうでしょうか、
納税額は¥50+¥40で¥90、還付金が¥60です。
国庫に入るのは¥90−¥60で¥30となります。
政府も大変ですね。
で、この消費税の仕組みを知ると色々な謎が解けます。
なぜトヨタやキャノンは儲かるのか?
なぜトヨタやキャノンと違って中小企業は不景気なのか?
なぜ大企業の業績は好調なのに税収は伸びないのか?
なぜトヨタやキャノンが牛耳る経団連や税調は消費税増税に目立った抵抗を示さないのか?
数値は2004年のものになりますが、トヨタが奴隷労働を駆使して上げた純利益は¥1兆1621、この中から¥332億円を消費税として納税しています。そして仕入税額控除、還付金として¥2296億を受け取っています。トヨタの消費税納税額は差し引き1964億円の黒字です。純利益の17%は税金を「貰った」ことによるものですか・・・
一方でキャノンが偽装請負などの違法行為を駆使して達成した純利益は¥3433億、そして消費税納税額は¥55億、受け取った還付金は¥773億です。こちらの消費税納税額は¥718億の黒字、純利益の21%は消費税を「貰った」ことによるものとなります。
ニラ茶の例で述べたように、免税である輸出が多いと、消費税納税額は少なくなります。しかし仕入税額控除による還付金は国内向けであろうと輸出であろうと変わりません。そのため、納税額を還付金の受領額が上回る、納税で黒字が発生する(国から見れば収税で赤字が発生する)逆転現象に至る場合があるのです。
この納税による黒字は些細なものではなく、トヨタやキャノンでは純利益の2割に相当する膨大な数値となっています。消費税納税によってお金が消えていくはずが、逆に還付金としてお金がどんどん増えていく、それなら大企業が儲かるのは当然の結果ですね。
しかし、ニラ茶の例を思い出してください。ニラ茶を国内に売ろうが輸出しようが、ニラを売ったニラ屋さんは消費税を納税しなければなりません。ニラ屋さんは還付金を受け取ることなど無く、黙って売り上げの5%を納税しなければならないのです。そういうわけで、海外に販路を持たない中小企業、トヨタやキャノンに部品を納入する中小企業は消費税からは逃れられず、還付金で潤う大企業との格差は広がるばかりなのです。
ちなみにこの消費税納税の逆転現象、還付金受領額が納税額を上回り、企業が消費税によって「儲けた」額は産業界全体で約¥2兆、これは消費税納税額全体の約2割、法人税納税額の約2割に相当します。これだけの財貨を収税する代わりに、トヨタやキャノンに還付金の名で供与しているわけです。これでは大企業が業績好調でも税収は伸びず、財政再建など夢のまた夢です。
大企業の出先機関である政府税制調査会では絶え間なく法人税減税が話し合われています。考えることは減税のことばかりで増税の可能性など全く眼中にないようです。しかし、法人税ではなく消費税となると、途端に態度が変わります。法人税増税はありえないが、消費税増税ならどうだろうか、と検討を始めます。何でかといえば、法人税増税は企業の納税額を引き上げますが、消費税増税が企業の納税額を引き上げるとは限らない、むしろ黒字を増やすことになりうるからです。消費税が2倍になれば消費税納税額は2倍になりますが、貰える還付金の額も2倍、元から還付金の方が多いトヨタやキャノンからしてみれば、奥田や御手洗といった連中からしてみれば、消費税増税は収益を増やすものでしかないのです。国民の納税額は確実に増えますがね。


